血液検査結果は食事からの経過時間により影響を受けます。
満腹(左)絶食(右)、での血液です。
遠心分離により血球成分を下に分離しました。
上の液体が、血液検査をするための血漿です。
満腹中(左)の血漿が真っ白になっていることがわかります。
これは血液中に中性脂肪がたくさん含まれていることを示します。この中性脂肪が血液検査に悪影響を与える場合があります。
食事からの時間が短く、検査結果が正確ではなかった子の一例を示します。
赤枠が3月22日(絶食)、青枠が3月19日(満腹)の結果です。3日間しか違いません。条件の違いは、絶食か満腹かのみです。
オレンジで示した数値が、食事により最も影響を受ける中性脂肪です。
絶食114、満腹1000以上と大きな違いがあります。
その結果、緑の枠で示した項目(アルブミン・γGTP、総コレステロール・無機リン)が明らかな異常値となってしまいました。
満腹での結果を信じると異常がたくさんあることになります。
必要ではない治療をすることになったかもしれません。
安定した検査結果を得るために、血液検査は絶食での実施をお勧めしています。
絶食とは、7-8時間何も食べないこと、と定義します。
この子は、例として分かりやすいようにと、食事の影響が特別大きかった子を選びました。
数値の変動幅がもっと小さい子もいます。