こちらの機器は生化学の検査をします。
BUN、クレアチニン、ALP、血糖値、コレステロールなどが測れます。
この機種の良い点を紹介します。
①SDMAが計測可能である
国際獣医腎臓研究グループ(IRIS=アイリス)が、慢性腎臓病のガイドラインを出しています。
そこではSDMAが腎臓病の評価基準として組み込まれています。
従来は尿素窒素(BUN)とクレアチニンを使って評価していましたが、SDMA・尿タンパク量・血圧が組み込まれるようになりました。
IDEXX社のホームページにはSDMAの有用性が詳しく記載されています。
②外注でしか計測できなかった検査が院内で可能となった。
炎症を評価するCRP、尿タンパク量を数値で測るUPC、甲状腺ホルモン値が当日に検査可能となりました。
主要項目で計測不可能なのは、コルチゾールだけ、と言えるかもしれません。これも、そのうち測定できるようになるみたいです。
③みんなが使っている。
現時点において業界のシェアは50%程度あるそうです。
検査機器ごとに、正常値や計測結果には特徴・偏りがあります。
例えば、過去に使っていたアークレイはアルブミンが低くでる傾向がありました。
健康診断で使っていた富士フィルムは総コレステロールが高くなる傾向がありそうです。
大学病院に紹介するとき・他の獣医師に相談するとき・夜間の病院にかかる時、などは、同じ機器を使っていた方が共通理解を持ちやすいと感じています。
最期にコストのお話
検査セットが販売されており、1項目ずつ測るよりも割安となっています。
10種類測定するchem10、15種類測定するchem15を常備しています。
(SDMAを含むchem18は現時点では外注検査で使用することにします。)
今まで使っていたアークレイにもセットがあり、6項目で約3000円でした。
新しい価格は、chem10;4000円 chem15;5500円でスタートしています。