行動学セミナーより 質疑応答が面白かった

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2023.08.11

行動学セミナーより 質疑応答が面白かった

「診察室で明日から使える行動学」というタイトルのオンラインセミナーを聞きました。

講演する先生は、ぎふ動物行動クリニック、獣医行動学認定医、奥田先生です。

東海三県で、動物の行動治療を目的とした専門病院はココだけだと思います。

実は、私の実家の近くであり、かつて通った中学校の近所でもあります。

実家に帰ったときに「どんな病院かな?」とチラッと外から見たりもしていました。(ちなみに外からでは何にも分かりませんでした・・・。)

 

今回は講演後の質疑応答が興味深かったのでまとめてみました。

講義の本編ではないので、奥田先生の本音の部分が見えたような気がしました。

 

Q講演に出てくる動画では柴犬が多いのはなぜか?

A患者さんの50%が柴。入院で治療するのはほとんど柴。問題が深刻なのも柴。

 

Q同じ家で飼っている相性の悪い犬を仲良くさせるには?

A難しい。勝手に仲良くなることは無い。飼い主の積極的な介入が必要。敢えてケンカさせて、飼い主が仲裁する、の繰り返しも方法である。

 

Q外でしか排泄しないイヌに中でさせるには?

A難しい。究極的には1週間外に出さない。漏れるまで我慢させる。でも嫌なものは嫌である。

 

Qショップで販売されている子でいい子を見抜くには?

A生後2か月での判断は難しい。敢えて言うなら、尻尾追いかけてクルクルや、触ったときに歯を当ててくるワンちゃんには要注意。

 

Q猫でトイレを使わない場合にはどうする?

Aトイレ砂に嫌なイメージがあるかも。トイレ砂を変える、トイレ砂をペットシーツに変える。

 

Q2kg程度のトイプードルがあんまり食べない。食べさせる方法は?

A運動をさせる。好きなものをあげる。(ドライフードを諦める。)脳の構造として満腹の感じ方が違うので食べなくても仕方ない。

 

Q認知症による無駄吠えはどうする?

A認知症は単純な行動療法ではなく、体の老化、ホルモン異常、内臓異常等も絡んでくるので、一言では答えられない。基礎疾患を考えつつ、薬物療法が必要。

 

問題行動とは、飼い主が問題と思うから問題である。飼い主側が考え方を変えることで、治す必要が無い場合もある。

という話もありました。この考え方に私は大賛成です。

その例として・・・

 

Q犬が散歩で引っ張るのを治すには?

A犬は引っ張っているのではない。犬の足が速く、ヒトの足が遅いので、結果引っ張るようになっているだけ。人が300m程度一緒に走ってあげれば、それ以降は納得して歩くようになることもある。

 

Qゲージで飼っている猫が食器に便をするのを何とかするには?

Aストレス行動であり、ゲージを大きくする。

一方で、トイレが汚れない、お掃除が楽と考えれば、問題行動とは言えない。

 

私は診察室で「個性と思って付き合ってあげると、お互い楽ですよ。」というお話を良くします。

「問題行動と思わないことも必要」と専門家が言っているのを聞き、「そうそうそうそう」と思いました。

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