尿中タンパク、尿中クレアチニン、尿タンパククレアチニン比についての解説です。
”もなか”の腎臓の状態を把握する手段として、尿タンパククレアチニン比を使っています。
血液検査ではなく、尿を検査する理由を説明します。
①採取が容易
単純明快、注射嫌でしょ?です。
採尿には痛みを伴いません。病院に連れていく必要もありません。
そして、割安です。(計測できる項目数が少ないので当然とも言えます。)
②尿検査でしか評価できない場合もある。
”もなか”の血液検査です。
尿素窒素・クレアチニンは正常値です。血液検査では腎機能は問題無し、と評価されます。
それでも尿タンパクはダダ漏れでした・・・。
血液検査で異常値が出る前に、尿検査では異常が分かります!(検査会社さんの決め台詞です。)
→ただ、これは尿検査を持ち上げすぎだと思っています。
尿タンパクが漏れるタイプの腎疾患は尿検査でコントロールしていきます。
次にそれぞれの項目の説明です。
・尿中タンパク→本来出ないもの。低いほど良い。
・尿中クレアチニン→本来出るもの。高いほど良い。
・UPC=尿中タンパク÷尿中クレアチニン→低いほど良い。
”もなか”の投薬前(上)、投薬後2週間(下)の検査結果です。
尿中タンパクが半減しました。治療前74.4→治療後35.0 これだけ見ると「イエーイ薬めっちゃ効いた!」です。
ただ、尿中クレアチニンも減っています。 治療前107.9→治療後79.6 尿中クレアチニンは体外に排泄された毒素の量であり、高い方が良いのです。それが減ってしまったのです「ガーンダメじゃん」。
結局、薬は有効だったのでしょうか?
それをはっきりさせるのがUPCです。
治療前 尿中タンパク÷尿中クレアチニン=74.7÷107.9=0.69
治療後 35÷79.6=0.44
割り算をすることで、濃い薄いが無視できるようになります。
(濃い÷濃い、薄い÷薄い、をすることになるので、濃い薄いが相殺されます。)
治療前は濃い尿、治療後は薄い尿だった、と言えます。
治療後のUPCは低下しました。→薬は有効であった、と言えました。