宮崎大学の岡林先生による「獣医療者に関連する人獣感染症~SFTS流行地から見えてきた新しい感染リスクとその対策~」というタイトルの講演がありました。
②SFTSに関する話題です。
マダニが媒介するSFTSは、ヒトもイヌのネコも、命を落とすこともある怖い病気です。
日本でのヒトの致死率は16%だそうです。
愛知県で話題になることはまだ少ないですが、宮崎県ではたびたび発生し、身近な問題となっているようです。
ここ数年、食べるタイプのノミダニ駆除剤を使用される方の割合は増加しています。
薬を内服すると、薬剤は血中に入り全身に回ります。
そのため、ダニが体のどこを咬んでも薬剤を吸うこととなり、駆除することができます。
(塗布型のノミダニ駆除剤は皮下脂肪に貯留するため、皮下脂肪の少ない耳や鼻先では効果が弱い弱点がありました。)
Q ここで疑問が生まれます。「最初に1回咬まれてるじゃん!その時点での感染リスクは無いの?」
私にとっても大きな疑問でした。それに対する明確な答えがありました。
A 最初の一噛みでSFTSに感染する可能性あるそうです。
実際にSFTSに感染したイヌ・ネコを調査した結果、ノミダニ駆除剤の使用の有無による感染率に差は無かったそうです。→つまり「駆除剤を使用していてもSFTSに感染した症例がいた」という事実があるそうです。
「じゃあノミダニ駆除剤意味ないじゃん!!」
となりそうですが、そうではありません。
SFTSの怖さは、ヒト-イヌ-ネコ間で相互に感染することです。
駆除剤を使っておけば、家庭での蔓延を防ぐことができます。
ノミダニ駆除剤の使用は明確に推奨します、とのお話でした。