昨日、宮崎大学の岡林先生による「獣医療者に関連する人獣感染症~SFTS流行地から見えてきた新しい感染リスクとその対策~」というタイトルの講演がありました。
主な話題は以下の2点でした。
①いわゆる新型コロナに関する話題
②マダニが媒介する感染症”SFTS”に関する話題
①いわゆる新型コロナに関する話題
ヒトのコロナがイヌ・ネコに感染するのか、また逆にイヌ・ネコからヒトには感染するのか、という議論がありました。
昨年の講演会後のブログでも書きましたが、昨日までは以下のように認識していました。
イヌ;感染しない ネコ;感染するが極めて短期間で終息 症状も軽い
今回の講演での結論は「様々な動物種が、様々なコロナウイルスに相互に感染する」でした。
・コロナウイルスはどの動物種でも遺伝的には似ている
・アメリカではヒトの感染爆発の後に、シカで感染爆発が起きている
・欧州ではミンクからヒトへの感染が分かり、ミンクが大量に殺処分された
等の事実があるそうです。
ヒトコロナウイルス、シカコロナウイルス、ミンクコロナウイルス等は全て類似したウイルスであり、すでに混じり合っている、とのお考えでした。
2022年の秋、世界がアフターコロナへと舵を切った頃に、アフリカのルワンダに野生のゴリラを観察に行ったそうです。
観察するためにはPCR検査を受ける義務があり、人混みとは程遠いジャングルの中なのにマスクをしたそうです。
ヒトのコロナはゴリラにも感染する、と世界が(ルワンダが)認識していることの証明だそうです。
学術的に異なる動物種間での感染を証明したデータは少ないそうです。
ただ、現時点で判明した事実を総合すると、コロナウイルスは様々な動物種間で相互に感染する、と考えるのが無難なようです。
ヒトのコロナが、イヌ・ネコに感染するかどうかは、もはや意味のない議論となったと感じました。