個人的に「外耳炎の治療を根本から変える可能性がある」と思う薬の紹介

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2022.10.14

個人的に「外耳炎の治療を根本から変える可能性がある」と思う薬の紹介

毎年たくさんの新しい薬が発売されてきます。

多くの薬は「少し変えただけ」、であることが多いです。

例えば、美味しくしてみました、小粒にしてみました、成分を少し変えました、のような感じです。

そっちの薬もいいけど、既存のでも問題ないよね、となります。

 

ただ、5年に1回くらい、獣医業界の治療を大きく変える力を持つ商品が出てきます。

10年以上前の心臓病治療薬であるベトメディン、約5年前のアトピー性皮膚炎の治療薬であるアポキルなどです。

(個人的には便秘改善の消化器サポート可溶性繊維も大発明だと思いますが、上記の2商品より賛同する人は少ないと思います。)

 

こちらは、発売から1年ちょっと経過した、外耳炎治療薬”ネプトラ”です。

メーカーの説明の趣旨はこうなります。「耳の中に全量1mlを投薬します。28日間外耳炎が改善し続けます。」

まだ使用経験は5-6頭ですが、多くの子で耳がきれいな期間が3-6か月程度続くのです。

「1回の投薬で梅雨~夏の期間、耳掃除無しで快適に過ごせます」が達成できるなら、なんと素晴らしいことでしょうか!!

外耳炎の治療はネプトラ、という時代が来る可能性がある、と思います。

 

問題点というより疑問点①

どの子で効いて、どの子で効かないのかが分からない。

3か月以上効果が続くならコストパフォーマンスは良い、と言えます。

ただ、メーカーが保証する有効期間は28日間です。29日目に外耳炎が再発しても文句は言えません。

1か月しか聞かないなら、ガッカリします。

ガッカリな子を出さないように、どんな症状の子は長く効きますか?とメーカーさんに聞いても、「わかりません」と返ってきます。

 

問題点というより疑問点②

繰り返し使用した場合の安全性

長期間効果がある=副作用も長期間にわたる可能性がある、とも言えます。

半年間耳の状態が良くても、そのうち悪くなります。

年1回の投薬を、10年続けても大丈夫ですか?年2回の投薬は安全ですか?とメーカーさんに聞いても、「わかりません」と返ってきます。

 

これは、メーカーさんに安全性を訪ねた際に頂いた資料の抜粋です。

商品は1mlの液体ですが、安全性試験として、3倍量、5倍量で試験しました、という内容です。

耳の穴に1mlも入れれば溢れてきます。

5mlは絶対入らないと思います。

むしろ3mlの時点で半分以上は溢れたでしょ?この実験無理かも、という議論はなかったのかな?

 

まだまだ議論するべき点は多いと感じています。でも効きます。

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