今シーズンは新発売の複合剤が発売されます、という記事を書きました。
例年この時期は獣医師の会合がいくつかあり、その席では「新発売の薬どう思いますか?」などと情報交換ができます。
ただ、コロナウイルスですべての会合が中止。
新薬を導入する決め手となるような新情報は得られませんでした。
その結果、今年度も昨年と同じラインナップで臨むこととしました。
①フィラリア予防期間について
フィラリアとは蚊が媒介する心臓の寄生虫です。
感染が重度になると心臓病の症状を呈します。
蚊が出ている期間が予防期間となります。
この地域では、4月末~5月上旬が開始時期、11月末~12月上旬が終了時期となります。
実は・・・
1年診察をしていても、フィラリア陽性のワンちゃんに出会うことはほぼありません。
例えば「昨年2回しか投薬しなかった。」という状況であっても、高確率でフィラリア陰性です。
フィラリアの感染経路を説明します。
蚊がフィラリア陽性犬を吸血→蚊の中で成長→再度犬を吸血時に感染
すべての蚊が感染のリスクがあるわけではありません。
陽性犬を吸血した蚊のみ、感染力を持ちます。
フィラリア陽性犬が1頭もいない地域は、予防する必要が無い?、とも言えます。
2回しか投薬しなくてもフィラリア陰性だった理由は、「運が良かった」だけで無く、
地域の他の皆さんが予防してくれているから、と言えます。
新型コロナウイルスでも最近耳にしますが、50%程度の人がワクチンを摂取すれば蔓延は抑えられる、と言います。
この地域にフィラリアを持ち込ませないためにも、予防の継続をお願いします。
また、フィラリア陽性のワンちゃんは、病院に来ていない可能性があります。(どこかの裏庭でひっそりと飼育されているかもしれません。)
地域の力頼みでなく、自ら予防して、確実な陰性を獲得してください。