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麻酔下での歯科処置② 歯周病で下顎は骨折します
2017.10.11.
まずはこちらのレントゲン画像をご覧ください



中央下、大きな歯の歯根に沿って黒い部分があります。
これが、歯周病菌によって歯槽骨が溶かされた状態です。

そして、その下、下顎の骨が黒い部分によって分断されているのが分かると思います。
これが歯周病による下顎の病的骨折です。
驚くべきことに、この状態でも食事は問題なく食べることができます。


前回のブログで、重症歯周病の治療は抜歯をすることである、と書きました。
この歯を抜歯するとどうなるでしょうか?

あごの先端は皮膚や歯肉によって、辛うじて位置を保っている状態です。
抜歯をすると、先端部分は垂れ下がり、舌が飛び出すと思われます。


小型犬において、下顎を抜歯する場合には、常に骨折の可能性を頭に入れる必要があります。
今回歯科処置をした子のレントゲン写真です。
下写真は同じ写真にマーキングをしました。




青い丸の歯をご覧下さい。
左側の歯根周囲の歯槽骨が溶けており、歯が「のっかっている」という状況です。
青い線で示したのが下顎骨の厚みです。
歯が小さく歯根も短いので、これくらいの厚みが残れば骨折の心配なく抜歯可能です。

赤い丸の歯を見てください。
左側(口の奥側)の歯根の周囲は完全に歯槽骨が消失しています。こちら側は簡単に抜歯可能です。
右側(口の前側)の歯根は先端が歯槽骨に刺さっています。
赤い線で下顎骨の厚さを示しました。
こちら側は抜歯中、あるいは、抜歯後の下顎骨折のリスクがあります。


歯が大きく歯根が深い分、抜歯後には大きな穴が開き、骨折の危険が増します。
ただ、抜歯しないと今後さらに歯周病が進行します。

リスクを感じながら慎重に抜歯をしました。

これが抜歯した歯です。
歯根が2本ある場合には2分割してから抜歯をします。

左側が先端までほぼ真っ黒です。先の白い部分だけで止まっていた状態です。

右側の赤い部分が歯槽骨に刺さっていた部分です。
器具を使用して、歯槽骨からはがして抜歯しました。
歯根の半分程度はしっかりとしていました。

ただ、2本ある歯根の1本は完全にダメ、もう1本も50%程度はダメ。
こんな歯は残しておいても歯周病は繰り返します。
骨折のリスクを考えても、今抜歯するべきであると判断しました。

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